あたしにできること…
たったひとつできること…
それはあなたにサヨナラをすること…
あなたが大好きだった人と同じ病気で死ぬあたしがあなたのそばにいられない…
思いきり嫌われよう。
あなたがあたしを憎むくらい心底嫌われよう。
そしてあなたはあたしに絶望しいなくなった。
昔からそうだった。
大切な人を傷つけるくらいなら自分が傷ついてボロボロになった方がいい。
これがあたしのやり方。
あたしが最後に見たあなたは本当のあなただった。
あんなに優しい人が全く別人の様に…
まるで何もなかったかのように言った。
それはあたしが初めて味わったとても冷たい、本当に冷たい『サヨナラ』。
これで終わった。
これであなたが幸せになれる。
『あたし、頑張ったよ。』
ごめんね。
もうひとつだけ謝らなきゃいけないことがあるの…
最後の日…あたしはきっとあなたの名前を呼ぶ。
大好きなあなたの名前…
それはあと2ヶ月後にやってくるであろう日に…
ごめんなさい…
上手く演技できたかな。
入院してるのバレなかったかな。
病室の窓の外の青空に語りかけた。
『今日も春が大好きな空が綺麗だよ』
どうか幸せに。