いつもの場所で47

YOSI  2010-05-27投稿
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ひとしきり、観光地をめぐった剛夫は、哲彦達のいる市内へと向かう為、電車を待っていた。
「3時間もかかるんだよなあ…ここから。メールでもしとくか…」
大学時代は、関東近郊のゴルフ場などを見てまわったが、九州の地は、初めてだった。
イベントも堪能したが、自分以外は、ほぼグループでいた
朝早い分、相当な眠気がきていた。
「ヤバい…相当眠いわ。帰ってゆっくり寝ていたい」
剛夫の仕事は、朝早いため、習性的にピーク寸前だった。
「剛からメールきたよ」
「何だって?」
「『今日は、眠いよ〜。行けないかも』だってさ」
「あんにゃろ…だから無理すんなって言ったのによ」
「まあまあ…哲の言い分は最もだけどさぁ。剛は剛なりに観たいところもあったわけだし…」
「だけどよ。明日も半分以上は、別行動なんだからよ。せめて、こうゆう時くらいは…」
「まあ、あとは本人の気力次第だけどね(笑)」
哲彦は、多少の不満は残るものの、3人で来れたことには満足していた。
「ところで、このあとどうなってんの?俺より早く待ち合わせすんだろ?麻由さんと」
「ああ…。お前はどうなんだよ?」

「19時待ち合わせだから、まだ時間あるよ。俺の方は、あくまでも、お店の従業員と客の関係性から進んでないからさ。悔しいけど…」
「情けねぇなあ。お前的には、進展したいんだろ?」
「そんな希望があればな…だけど、お前と麻由さんの仲は、極めてまれだぜ。…まあ、お前の人間性に、麻由さんが惚れたからこそだと思うけどね。大切にしなきゃだめだぜ」
「わかってるよ」
「でも、お前、しつこいようだけど、彼女の思いは、前より深くなってんだから、彼女以外の人達とは、ある程度、線を引いておかないとな…」
「それが簡単に出来たら苦労しないよ」
義人の言っていることは、わかってはいるが、哲彦は、文子と同じくらい自分に比重を置いてくれている麻由を、簡単に離れていくなんてことは出来ないと思っていた。
「もっと、ドライでいてくれたらなあ。つらいよな…」
「贅沢なこと言ってんじゃねえよ。俺なんか、そこまでいかないんだからよ。…そんなことより、もう、待ち合わせの時間迫ってんだろ?」
「ああ…。じゃあ先に行くわ」
「またあとでな」
2人は、一先ず別れた



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