慶「…何?」
隆「お前…“ワイルド・ワン”のドラマーにならへんか?」
慶「…?!」
隆「テツもヒロもお前のドラム気に入っとってさあ…だから…」
慶「それは達兄の代わりとして?」
隆「…何言ってんの?俺はお前のドラムがええねん。」
慶「…」
隆「お前らしくないなぁ。周りの言葉に弱気になったか」
慶「別に…」
隆「…お前ってさ…犬っぽいやんな」
慶「………猫の方があってると思うけど…」
隆「いや、犬や。主人に忠実なワンちゃんや」
慶「…」
隆「お前は主人…いや、主人ってのは変やな。あいつの、達也の言葉に従いすぎや。」
慶「…」
隆「もう主人はおらんぞ、ハチ公。」
慶「…わかってる」
隆「もう解放されへんか?達也から」
慶「…解放?」
隆「さっきも言ったように、お前は達也から影響を受けすぎや。あいつの存在に縛られすぎや。」
慶「…」
隆「今お前がおる世界なんてちっさいもんや。ここにおる限りお前は“達也の弟”や。けどな、もっと世界を出れば達也を知らん奴ばっかやで?」