スカバンburn!!最終章 -97- 賢一

きゃしー  2010-05-30投稿
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――聖二の家

聖「…。」

机に向かい、譜面を眺めている聖二。

「へー楽譜?」

聖「?!」

突然現れた兄に驚いた聖二は、譜面をバラバラと落としてしまった。

聖「賢一!なに勝手に入ってきてんねん!」

賢「お前、まだ音楽やってんの?」

落ちた譜面を拾いあげながら、賢一が尋ねたが、聖二がすぐにその譜面を奪い取った。

聖「勝手に触んなって!」

賢「こんな遊んでて、母さんに何もいわれへんの?」

聖「遊びじゃない。お前と一緒にすんな。…母さんはもう勉強の“べ”も言わへん。俺も…見捨てられたんや。」

賢「ふーん。」

賢一は長い金髪を指先でいじりながら、気のない返事をした。

聖「…もうええやろ!ほらはよ出ていけよ!」

大声で怒鳴りながら、聖二は賢一の背を押して部屋から追い出した。

聖「もう二度と部屋に勝手に入ってくんな!」

そう言い捨てて、音を立ててドアを閉めた。

賢「……俺も、嫌われたもんやな」



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