イジメの原理(2)
大人がきて
羽交い締めにされ
複数の大人に殴られた
前の学校の
職員室に連れていかれた
先生達の反応は想定内
「ウチの学校に居たときから乱暴な男で…」
僕が暴力を
振るった原因なんて
相手が大怪我したという結果の前では
意味をなさないらしいし問題にしたくないという大人の思惑も
10歳にして予見してた
僕が職員室から
出てきた時は
同級生達が
じっと無表情で
待っててくれてる
コイツら(同級生達)が無表情で
言葉も表現できないことを逆手にとり
虐める卑劣さに
またやり場のない怒りに全身が支配された
…どいつもこいつも同類や!ぶっ殺してやりたい
家に帰りたくないので
校庭に寝そべってると
(虐められてた)女の子の母親が来た
僕の大好きな
ボンタンアメを
渡していってくれた
今日はありがとね
女の子は母親には
事情を説明できたようだ
僕はこの世で唯一
僕の暴力を理解して
もらったようで
嬉しかった
母親は僕の側に座り
ため息をついた
先生に言ったからって
どうにもならないし
私が毎日この子を
迎えにこれるわけでもないしね…
イジメはエスカレートしてるみたいだし…
僕はお母さんに言った
アイツらは
二度とこないよ
僕は恐怖を植え込む
威力を利用する術を
知っていた
・・・・・・・・・
一週間後の下校時に
中学生に囲まれた
「よくも弟を可愛がってくれたな…ツラ貸せや」
中学生は
一丁前に凄んできたが
小学三年で遥かに
小柄な僕の怒りは
恐怖などは凌駕していた
〜続く〜