あの日、俺は女体の神秘の章が出ているのを見て
多大なる期待をしていた。
「これは・・・やった!とうとうやったぞ!」
俺は本を空高く放り投げて叫んだ。
よし。さっそく読んでやる!
俺は震える手で床に落ちた読みやすい小説を手に取った。
「よ・・よし・・。」
変に肩に力が入ってしまっているのは、わかっている。
ほっとけよ。待ちに待った章なんだから。
・・・・・。
先のページを開いてみる。
(こんな長い時間放置しておいて、
本当にひどい持ち主ですよね!(怒))
あ、怒ってる。・・だよな、ごめんごめん。
って、俺、何で本に謝ってんだよ。
(なに浮き足だってるんですか?)
む・・ほっといてくれ
(クス・・さて、お待ちかねの、
女体の神秘章の始まりです。)
てか、俺普通に本と会話してるよな。
これってすごく変だよな。
(そうですか?では、もう読むのを
やめても良いですよ?)
「む!ここまでやらせてそれはないだろ!」
思わず声を上げてしまった。
ここで突然部屋のドアが開いて母が入ってきた。
「誰と話してるの?」