私はフリーのジャーナリストとして各地で取材をしてきた。
そんな中で、ある島の基地に変わった隊長がいるという話を聞いた。
どんな隊長か気になった私は、早速その隊長のいる島…レス島に足を運んだ。
このレス島は、本土であるアストリア共和国から南に約140キロにある周囲7キロの小さな島である。気候は温暖で、一年中海水浴ができる。まぁ一言で言えばリゾートアイランドみたいなものだ。
島に着くと、早速その隊長が出迎えてくれた。彼の名はジャストン・バート、階級は大尉。本人曰く、「万年大尉」だそうだ。
私はカメラを片手に、新兵のしごき…つまり飛行訓練の見学をした。勿論、搭乗する機体は万年大尉殿の機体である。
正直なめていた部分はある。自分の考えは、如何に甘かったかを思い知った。離陸して5分…私の想像を絶する世界が広がっていた。
天地がひっくり返り、胃が裏返った…。そんな中、地上の管制塔から通信が入った。
ハイタナ岬ヲ起点ニ東ニ5キロニ正体不明機ヲ確認。
教官達に緊張が走る。
前席が地上に向かって吠えている。どうやら緊張機のみで不明機を迎え撃つらしい。
練習生達は高度を徐々に下げはじめ、雲の中に消えていく…
私は死を覚悟した。
続く