――慶太郎のお家
光「いいん?ゆずに会うなら、猛達も…」
慶「二人はデートやって。(うそ。)」
光「そうなんや。お邪魔しまーす」
光希は相変わらずCDやら雑誌が散らかっている慶太郎の部屋に足を踏み入れた。
慶「ゆず」
机の下を覗きこんだ慶太郎がゆずをひきずりだし、ベッドの上に下ろした。
慶「俺、なんか飲みもんとってくるわ」
そう言い残して彼は部屋を出た。
光「ゆずー?」
光希がなでるとゆずは嬉しそうに喉を鳴らした。
光「…いいなあ。ゆずはこれからもずっと大好きな主人のそばに居れるねんもんなあ…」
ニャー
慶「…」
飲み物を持って戻ってきた慶太郎は、ドアノブに手をかけたまま手を止めた。
光「…皆、それぞれの道に進んで行って、どんどん変わっていく。別れていくのは皆一緒なのに、なんか…国が違うだけなのに、それだけで自分一人、全く違う世界に行っちゃう気分…。皆よりも一番夢に進むのに、なんかおいていかれる気分。」
慶「…」
ニャー
光「……」
慶太郎は静かに扉を開けた。
慶「光希」
光「?」