慶「迷ってんの?」
光「…不安…やねん。なんか…」
慶「寂しい?」
光「…」
慶「誰かが言ってた。何か得るには何かを捨てなあかん。その意味が…今なら俺にもわかる気がする。でも…」
光「…?」
慶「やっぱり寂しいというより、不安というか…皆との関係がこのまま進んでそのまま終わっちゃうんじゃないかって。ほんまは自分にとってもみんなにとっても、この9人が一番の仲間で一緒にいた時間が“一番”であってほしい。でも、いつまでもこの“今”が一番なんじゃ、この先、どんな未来があっても“あの時は良かった”って振り返ってばっかで進まれへん。先に進むには、これから出会う人とまた別のいい関係を築いていかなあかんし……それぞれが違う道に進んで、違う人や出来事に出会って、“今”が“思い出”になってしまうと思うとやっぱ寂しさも不安も消えへんな。」
光「…」
慶「この寂しさもいつかは忘れてしまう。一番不安になるのは、そこ。けど、別れの寂しさは消えても、今が思い出になっても、俺らが出会って一緒に演奏したって“事実”は消えない。それでええねん、きっと。」
光「……慶太郎…」
慶「…ん?」
光「夢は…叶えられる?」