ミカは誰もいない公園で一人で泣いていた。
きっと…今日もまた誰にも選ばれない。それならいっそ誘ってくれなくてもいいのに…。
― 花いちもんめ ―\r
二手のチームに分かれて、手を繋ぎ唄を歌いながらジャンケンで勝った側が好きなお友達を取り合う…一見楽しそうでとても残酷なゲーム。
また悲しくなってミカは声も出さず涙を流す。
「どうして泣いてるの?」
ミカが顔をあげると、そこには見覚えのない同じ歳位の少女がいた。
自分とは比べものにならない程の可愛らしい少女は、その可憐な花びらの様な唇から出る声も美しいものだった。
「みんなミカの事除け者にするの…嫌われてるのが悲しいの」
そう言うとミカはまた大粒の涙を流した。
「遊んでくれないの?」
その少女は首を傾けながらキョトンとした表情を浮かべる。
「ううん。仲間には入れてくれるんだけど…。花いちもんめって知ってる?」
「知ってるよ。みんなでやる遊びだよね?嫌われてないじゃない」
優しく少女が微笑みながら答える。
「違う!だって誰もミカの事を選んでくれないもん!最後に残るのはいつも私」
ミカは叫んでいた。