ゲーム 【後編】

オレンジ  2010-06-04投稿
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「そうなの?単なる思い違いかも知れないよ」

慰める様に優しく囁く少女に頭を振り更に怒りを露にする。

「気休め言わないで…名前も呼んで貰えない気持ちなんて分かるはずない」

気まずい沈黙が続いた後、少女が突然歌い始めた。

「…勝〜って嬉しい花いちもんめ」

「えっ?」

ミカが驚いて瞳を見開いて少女を見ると、手を差し延べながらニッコリと微笑んだ。

「私が名前を呼んであげる…二人で遊ぼう!ほら続きしよう」

ミカは嬉しくなって笑顔を見せる。

「負〜けて悔しい花いちもんめ…ミカちゃんが欲しいジャンケン…」

少女が楽しそうに歌いながらジャンケンを誘導する。
何か…ちょっと違うけど楽しいからいっか…。

そんな事を思いつつも、ミカは少女に合わせてジャンケンの態勢に入る。


『ポン!』


二人が同時に手を前に出した。ミカはチョキで少女はグーだった。

「負けちゃったー!」

ミカが言うと少女も笑顔で答える。

「うん。私が勝ったからミカちゃんの事…貰うね」


えっ…


少女はそう言うと公園を走り去って行った。その姿はミカそのものだった。

そしてそこにはミカで無くなったナニか…がいた。

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