月光稀

ユータ  2006-08-27投稿
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「う、うわぁぁ」逃げ出す青年を追い掛ける奇蟲。
複雑な道にしかもでこぼこ…奇蟲は木に穴を開けながら確実に距離を縮めてくる。
青年は運悪く枝に足をかけてまえのめりに転がった。奇蟲は数メートル先にゆっくり降り立った。
「俺は…死ぬのか…」涙目になりながらゆっくり立ち上がる。奇蟲は歯を向きだしギギギーと鳴いた。
「…こええよ…畜生…みんな…」ポタリと涙が地面に落ちた。そしてさっき転んだ時に落ちてしまった剣に当たる。ポワーーーン…まばゆい光を放ちながら青年の手に剣が引き寄せられてぴたりと収まった。
「そうだ…仇をとるんだ…俺がみんなの仇を…母さんの仇を!!」剣の柄を握りしめる。体中から力が沸いてくる。
「畜生!このなまくら刀め!俺に力をかしやがれ!みんなの仇を討つ力を!!」
ゴゴゴゴゴ……大地が奮え空から光が下りて来る。柄を振り上げると先端からまばゆい光があふれ、それはやがて刃を創る。
直径形の両刃。腕の長さ位で、刀幅は15センチ位。鍔がついておらず、柄から直接、刃になっている。柄の部分には白い布が巻かれていて、柄の下にはみ出るほどの長さがあった。
「これが…護法剣…」

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