スカバンburn!!最終章 -102- すき

きゃしー  2010-06-07投稿
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慶「…光希?」

一瞬何が起きたのか、慶太郎はわからなかった。

後ろにバランスを崩し、とっさに床についた右肘がなんとか慶太郎の上体を支えている。

そして、分かるのは、支えているのは自分の体だけじゃないこと。


慶「…光希らしくないやん…突然人に飛び付くなんて」

光希は慶太郎の胸に顔を埋めたまま、何も言わない。
慶太郎は左手で光希の頭に触れた。

慶「…なんで…泣いてんの?」

光「泣いてない」

顔を埋めたまま光希は首を横に振った。

慶「…泣いてるやろ」

また首を横に振る光希。

光「…慶太郎」

慶「…やっぱり泣いてるやん」

ようやく顔を上げた光希に慶太郎は微笑み、体を起こす。

光「慶太郎?」

慶「ん?」


光「すき」


慶太郎は光希のまっすぐな瞳を見つめたまま、動きを止めた。


光「好きやねん、慶太郎が」


もう一度、ゆっくり繰り返す光希。

慶「…」

光「…」

慶「あ…ごめん…俺…」

光希は一瞬で心が深く沈むのを感じた。

光「あーごめん、うち何言ってるんやろ。ごめん、今のは忘れて。…うちもう帰るな、今日は…ありがとう」

沈んだ気持ちを隠すように早口で言って、部屋を出た。

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