月光稀

ユータ  2006-08-27投稿
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「どうだ?」少し不安げに尋ねる海星。
「サイズはピッタリだし、熱すぎず、寒さも平気。動き易いし、腰の裏に剣をさせるから抜き易いし…でも」
腰に剣をさしながら青年は言った。「な、なんだ?」「うん…俺は青い色が好きなんだ…大切な人が好きな色で…でも…陣羽織は赤だし、ズボンは黒の薄い感じで…青い色がほしいなぁって」
「文句を言うな…それはとある庄の服を見よう見真似で作ったんだ。たしか…や、柳生とか…やにゅうとか…違ったかな」
「海星って裁縫するの?」「………」
黙ってしまった海星をちらりとみやると青年はポンッと手を叩いた。辺りを見渡し、目当ての物を捜す。
「何をしているんだ?」
「うーんと…あ、あった?」
隅の方に置かれた自分の服を見つけるとびりびりと破き始めた。
「おい…一体…」
「あのさ…なんか切る物ある?」「あ?ああ」
差し出された小刀で服を切っていく。そして…「できた!」黒い髪を上にかきあげるそして後ろに両手を回して何かを結ぶ。
「…?…」
不思議そうに見ていた海星を見た青年の額には、青いバンダナが巻かれていた。「これでよしっ」

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