三沢君は
校門を出たとこで
僕が手を離した時に
初めて口を開いた
ありがとう…
考えてみれば
僕は6月になるのに
同じクラスの三沢君と
初めて話をした
あのまま教室にいたら
放課後が危険や
まっ明日からの対策
立てなきゃあ
明日からもヤバいよ
学校サボらして
悪いけど
三沢んち行っても
親とか大丈夫?
真面目な三沢君は
学校なんか
サボったことはない
しかし
明日から
さらに激しくなる
イジメ対策に
僕が協力するとわかって安心したようだ
親は気にしなくて大丈夫
気分悪くて早退することにするから…
二人で
三沢君の家に向かった
おそらく
社宅として用意されてたであろう立派な家
母親は
三沢君が
初めて同級生を連れてきたことが嬉しそうで
薄汚れた僕にも気をつかってくれた
僕は三沢君の部屋で
マンガの話や
たわいのない話をした
夕方になり
三沢君の母親は
夕食に誘ってくれた
僕は
ようやく笑顔になった
三沢君に聞いた
俺はイジメ止める方法知ってっけど
イジメられてることを
母親に言っていいよな
三沢君は
イジメが止まる方法と
聞いて目を輝かせて
うなずいた
〜続く〜