三人は小さく頷いて散開すると、剣を構えた。
「三人共頑張って!」
「負けないでよ!」
ミーナとリリアは少し離れた場所から三人を応援した。
メディナは散開した三人の位置を確認して、小さく深呼吸する。
「はっ!」
その瞬間、目にも止まらぬ速さでエナンに攻撃を加えた。
「ちっ!」
エナンはかろうじて最初の一撃を受け止めた。
「エナン!」
ダリルは慌ててエナンを助けようと、メディナに上段から斬りかかる。
メディナは体を瞬時に回転させてその攻撃をかわした。
「くそっ!」
ダリルは唇を噛んですぐさま第二撃を加えた。
メディナは素早いステップでその攻撃をかわし、剣をしならせて彼の服を切った。
「まずは一人ね」
「ちくしょう!」
ダリルは切られた部分を抑えながら、天を仰いで叫んだ。
エナンは苦い顔をして、唇を噛み締めた。
―想像以上だ。スピード、技…全てで私たちを遥かに上回っている…。
メディナは剣を肩に担ぎながら、
「ザック、来なさい」
と、ザックを手招きした。
「は…はい!」
ザックはゴクリと唾を飲んで一つ小さく頷くと、彼女に向かって駆け出した。
―あなたの意志の強さ、示してみなさい。
メディナは小さく息を吐いて、剣を強く握り締めた。