龍一に差し出された物・・それは焦げ茶色のアンダースーツと四つの金属性の円筒、それにスパイクだった。
「咲坂とジョウが着てるやつ・・・」
「そう、『ウルフスーツ』に『バスターアーマー』。ほら、後ろ向いててあげるから着替えなさい。」
彩実はそう言うと、それらをベットの上に乗せ、後ろを向いた。
「あ、どうも・・・。」
依然赤面したまま、龍一はいそいそとアンダースーツを着始めた。
(アンダースーツっつうか、これ・・・全身タイツじゃねえか・・・?)
足からそれを着てみると、爪先から首までぴっちりと吸い付くように体にフィットした。
唯一外に露出しているのは、顔と手だけだった。
次に、龍一は四つの円筒を手に取った。
(見た目ただの筒だよな・・・?『バスターアーマー』って言ってたけど・・・)
龍一はとりあえず、円筒の一つを二の腕にはめてみた。
腕と筒に隙間がある・・・ぶかぶかだ。
しかし、その瞬間
ピピッ!キュウッ
円筒は銀色の鎧の姿に形を変え、これも龍一の二の腕に見事にフィットした。咲坂達が付けているのと同じ鎧だ。
(おおっ!すげぇ・・・)
続けて反対の腕、さらに両方の二の足に筒をかぶせる、全てきっちりフィットした。
龍一は最後にスパイクを手にした。どうやら、これだけは普通のスパイクのようだ。某大手シューズメーカーのロゴが刻まれている。特徴的なことといえば、ウルフスーツと同じで、焦げ茶色という事ぐらいだろうか。
「もう着たかしら?」
「あっ、はい。」
龍一がそう言うと、彩実は龍一の方に向きなおした。