「さてと、まずどうする?」
京都が懐中電灯をつけて自分の顔の下から懐中電灯を当てて遊びながら雪野に尋ねると
「そんなアホなことしないし、懐中電灯も付けない」
と、言って雪野は京都の頭を叩いた。お遊びに付き合っている暇はないと、言いたいみたいだ。
と、言われて京都は「これが性分なもんで」と、笑いながら言って懐中電灯を消した。懐中電灯がもしも外に漏れたら危険だからだ。懐中電灯は最小限しか使わない。
「とりあえず、遺体を捜すよりもパソコンを探しましょう」
その雪野の案には賛成だった。まだ十代で青春真っ盛りな二人だ。
その年で仏さんと挨拶はしたくない。二人はパソコンのある部屋を探すついでに、資料室みたいなのがあればそこも探した。
外から見るのとは違って部屋数は少なくてだいたい五室みたいだ。
建物の案内所を見ると二FとB1があるみたいだ。地下に遺体を安置しているみたいだ。
まぁ彼らはまだ高校生……夜の遺体安置所などには誰も行きたくはないだろう。
建物の案内所を見ると資料室は二階の奥にあるみたいだ。
二人がそこに行くと当然鍵がかかっていたが京都は何とも思っていないのか蹴ってドアを開けた。
部屋に入ると一面資料の紙がきれいに整頓されていて中心にお目当てのパソコンがあった。二人は早速パソコンのそばまで近づくと
「青山さん………パソコンって扱える?」
京都が頼りなさげに聞くと
「電源をつけるくらいなら」
と、雪野は無理ですと、ジェスチャーを交えて答えた雪野が無理ということで京都がパソコンを担当することにした。
雪野は京都がパソコンを立ち上げて探している間に紙の資料を探すことにした。
パソコンを立ち上げて資料を探し出すまでに約五分かかったが、その五分の間に雪野は資料を見つけたみたいだ。最初に紙の資料から見ることにした。雪野が見つけた資料を読むとそこには意外な事が書かれていた。
『知立銃殺事件について、この事件の被害者は宮本 陸(六十一)沼池 大地(五十)山田 洋(四十五)杉浦 卓(三十九)の四人で、死因は銃痕からによる大量出血死』
と資料の冒頭には、書かれていた。