剣と剣のぶつかる音が林の中で響いた。
メディナは上段から打ち込まれた剣を自らの剣で受け止めながら、ニヤリと笑う。
｢ちゃんと練習してきたのね｣
｢え…？｣
｢はっ！｣
ザックが彼女の言葉を聞いて僅かに力を緩めた瞬間、彼の剣は簡単に弾き飛ばされてしまった。
｢そんな…！｣
ザックは顔を青くして、頭を抱えた。
メディナは大きく息を吐いて髪を掻き上げながら、
｢私の勝ちでいいかしら？｣
と、尋ねた。
｢…はい｣
リリアとエナンは無念そうな表情で、小さく頷いた。
ミーナは唇を噛んで俯いている。
メディナは剣を鞘に収めて、静かに笑った。
｢あなた達が今から言う条件を呑めば、クリスタルを渡すという約束を無しにしてもいいわよ｣
｢え？｣
リリア、ミーナ、エナン、ザック、ダリルの四人は驚いて顔を上げた。
｢そ、その条件というのは？｣
｢私に協力する事よ｣
｢協力？｣
リリアは怪訝そうな顔をした。
｢そう。私とあなた達が協力関係になるの｣
｢…どのような事をするのですか？｣
｢聞けばあなた達に選択肢は無くなるわよ？｣
｢…っ｣
エナンはメディナの鋭い視線に背中を震わせた。
｢…その目的は大量虐殺みたいなものなのですか？｣
｢いいえ、違うわ｣
メディナは首を横に振った。
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