――前日
ピンポーン
慌てて扉を開ける波音。
扉の前で笑顔を見せる猛。
猛「おはよ。迎えにきた!」
波「ちょっと待ってて。荷物取ってくる。」
体の割に大きな鞄を抱えて出てきた波音は、家に向かって笑って言った。
波「お父さん、行ってきます。」
――美「つーばーさー!!」
翼「ごめん、1分待って」
美「あ…うん」
いつもと違ってすでに準備済ませた翼が顔を出したので、美弥は口を開けたままつっ立っていた
翼「母さん、今できる最高の演奏してくる。それぞれの夢に進むために、しっかり今を終わらせてくるから…行ってきます」
翼は立ち上がると、再び扉を開けて美弥と共に歩き出した。