「君の力が欲しい。」
「は?」
俺は男の言っていることが理解できなかった。
俺の力?俺に何か特別な力があるのか?そんなわけない力なんかあるはずがない。
「まだ私も信じられない。なので少しテストをしたい。」
「テスト?」
鉄板でも曲げろってか
「このファイルだ。」
男は二十枚くらいの資料が入ったファイルを渡してきた。
「この中に資料が入っている。この中の三人から犯人は誰か判断してもらう。制限時間は一時間だ。よーい」
「ちょっと待て!まだやるなんて」
「初め!」
「やりゃーいいんだろやりゃー」
いくら言っても無駄なのでとりあえず始めた。
えーと被害者は寺山隆二(52)
死因は撲殺。午後七時前に鈍器で十一箇所殴られ死亡。殴られた数からして恨みを持ったものによる犯行だと思われる。
犯行現場とその周辺の写真があった。
容疑者は三名
葉山一徹(49)
寺山の知人でいつもよく麻雀にいっていたらしい。つい先日寺山といざこざがあったらしい。
西山久雄(42)
寺山の知人。寺山から金を借りていた。唯一アリバイがあり、六時から八時半まで図書館にいた。(司書が入口から入り出ていくところまで確認)
葛飾美紀(22)
寺山の娘で、結婚を猛烈に反対されていた。
さらに自宅と図書館の図が入っていた。
これでどうしろと・・・全員それっぽい理由はあるし、一人はアリバイだってあるのに。
「ん?」
図書館の地図と写真を見て思った。関係者用の扉・・・。説明を見ると南京錠が掛かってるらしい。しかし写真には南京錠が写っていない。
もしかしたら、もしかするかもしれない。