君と見た空*2の1

玲唯  2010-06-15投稿
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02.記憶


 翌日の帰り道、いつものように土手を通る。


 私はアオトの姿を探したけれど、どこにもアオトの姿はなかった。


 何かちょっとがっかり。


 私はため息をついて土手を降りて公園に行って、ベンチに座った。


 いや、何してんの私。


 これじゃまるでアオトを待ってるみたいじゃない。


 二股じゃないよ、これは。


 二股って使う意味違う?


 まあいいや。


 アオトは―――昨日会ったばっかりだけど―――友達。


 同じものが好きで、同じ漢字が入ってる名前友達。


 うん、そう。


「よっ!」

「うわっ!」


 背後から肩を叩かれ、私はびっくりして声を上げた。


 そして振り返ると、そこにはアオトの姿があった。


 アオトはあまりの私の驚きように、同じように驚いたような顔をした。


 でもすぐににっこり笑って私の横に座った。


「よかった。また会えた」


「え?」


 それってどーゆう意味だろ。


 だめだめ、考えちゃだめ。


 私には結城くんがいるんだから。


「今日も晴れてるね」

「あ、うん。そーだね。でも明日は曇りだって」

「そっか……」


 アオトはそう呟くと、ガッカリしたような顔をした。


 言わない方がよかったかな。


 それからしばらくの間、沈黙が流れた。


 そんな中、沈黙を破ったのはアオトの方だった。


「ねえ」

「ん?」


 アオトは何か言うのをためらっているようだった。


 私はアオトが話し出すのをじっと待った。


「……俺のこと、覚えてる?」


 何を言ってるんだろう、と思った。


「覚えてるって……昨日会ったし」

「そーいう意味じゃなくて。俺たち、昔に会ってない?」


 私の覚えている一番古い記憶は、小学4年生から。


 そこから記憶を辿ってみたけど、アオトと会った記憶は昨日からしかない。


 それより前に会ったのかもしれないけど、全く思い出せなかった。


「ごめん、会ってないと思う」

「だよね。俺の勘違いか」


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