『クライアナノナカ』 の真相 〜3〜

ヤルンヴィドの番犬  2010-06-15投稿
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一人目は、

名前:コバヤシ アツヒト年齢:22歳 (男性)

故郷から一度F市に移転し、その後大学進学のため上京。
A大学教育学部卒業後、
故郷の小学校へ赴任が決まりUターン。
その後、村唯一の広場に居たのが目撃されたのを最後に行方不明となる。

性格は、おとなしく気弱。小さい頃はよくガキ大将から隠れていたそうだ。




『クライアナ』では、
故郷にある広場の防空壕跡で昔かくれんぼをした
幼なじみと遭遇し、
終わっている。

気になるのは、
『クライ〜』は基本的に一人称で、行方不明者の視点で書かれている事だ。
『ディナー』は、
この若者の故郷や広場、
はては発見すら困難な
防空壕跡まで知っていたというのか…?

おそらく、この防空壕跡を『クライアナ』に見立てているのだろうが…。

しかも、この辺りに
神隠しの噂があった事
まで、行方不明者視点で
書いている。

事実、聞き込みをした所
その噂は昔からあったそうだ。

そして『クライ〜』
で遭遇する
『ひろくん』だが、
調べた結果、13年前に捜索願が出ている。

だが、『ひろくん』も
見つかってはいない。



背の高い雑草で、私すら
発見に苦労した防空壕跡。

入ってみると中は漆黒の闇で、冷房が効いているかのようにひんやりとしていた。

あらかじめ用意していた
懐中電灯で前を照らして行く。







確かに深い。

ただの防空壕なら、
ここまで奥深くする必要はないはずだ。
おそらく、かつて基地か何かがこの辺りにあり、
ここは非常通路か脱出路だったのではないか。






私の予想は、はずれた。

どれだけ進んだか分からない先に行き止まりがあったのだ。

崩落等の形跡もない。
ここで確かに
『終わって』いる。

結局、何もなかった。

『クライ〜』がそこまで的確なら、行方不明者が
ライト代わりに使っていた携帯くらいあると思ったのだが。


せっかく来たのに、
何一つはっきりしない。

風が、人のうめき声にも
聞こえる。

ひぃ、おぉ、くぅ、と。

私も『クライ〜』に影響されたか。

苦笑しつつ、その場を後にした。



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