慶「…俺の夢は」
黙っていた慶太郎が顔をあげた
慶「…俺の夢は…多分…めっちゃしんどくて、中途半端な気持ちじゃ絶対叶わん。」
猛「…」
慶「あいつの…光希の夢もきっとそう。…だから…不安やねん。夢とこの気持ち…どっちの幸せも手に入れようとしたら、結局どちらか…いや、どっちも捨てるはめになるんじゃないかって。なんていうか、ちゃっちい船にめちゃくちゃ重いもん乗っけたら沈むみたいに」
そう言って両腕の中に顔を埋めた慶太郎を、猛はじっと見下ろし微笑んだ。
猛「じゃあ、その船をもっとでかくしたらいい。」
慶「え?」
猛「手に入れたいもんがいっぱいあるなら、それだけの努力をしたらいい。2つなら2倍、3つなら3倍…口で言うのは簡単で、やるのってのはずっと難しい。でも、最初から諦めるよりはずっとええやろ」
慶「…」
猛「俺、良いこと言うたくない?」
そう言って笑った猛を慶太郎も微笑んで見上げた
慶「…なあタケ」
猛「何?」
慶「俺らはこれからも、親友…か…?」
猛「(;□;)!!(慶太が親友って言うてくれるなんて…!!!)当たり前やんか!お前がどこ行っても俺はお前が好きやで!」
慶「そっか。……ありがとう」