話の続きが作れない12

ひびりんの母  2010-06-17投稿
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…ああクジラね。

先程出てきたテレビゲームなのだが、主人公は確か白クジラの背中に乗るんだっけ。
しかしよく覚えてるな…確かあのゲームはもう1年ほど遊んでないはずだが。

『ねえ早くクジラ〜』

ええ…?
クジラの声色なんかわかんないよ…。
先程の二人のじいさんの声を真似たせいで、だいぶ喉にダメージを受けていたので、なんとかしてクジラを回避しようと試みる。

「お客様、クジラはいるにはいるんですがね…あれは闇の世界行き専用ですが、よろしいですか?」
『え…?あ!そうか!』

そう。そのゲームの中でクジラの背に乗り主人公が向かったのは、天国ではなく闇の世界だった。子供もゲームの内容を思い出したようだ。

「闇の世界でよろしければご案内いたしますが」
『いやいいですすみません』

…ふぅ助かった。

「それではお客様参りましょうか」
『何に乗っていくの!?』

ええ…?
それは考えてなかった…。

「…じゃあ、バスで」
『はあ!?バス?』
「…天国へ行くのはお客様だけではございません!一人一人運ぶわけにはいかないのでございますよ。お客様は6号車になります。さ、お急ぎください」
『…バスでどうやって空飛ぶのよ…』

は!

「…いやいやお客様。うちのバスは空飛ぶバスですから!なかなか乗れるもんじゃありませんよ〜?」
『乗る乗る〜!』

…単純で助かるわ。

「それでは皆様、全員乗車されましたので、これよりバスは天国へと向かってまいります。私お供させていただく死神太郎でございます」

子供は嬉しそうに拍手する。

『運転手さんの自己紹介は?』
「う、運転手でございますか!?え〜とえ〜と…私の弟子の死神次郎でございます」

…ふう、危ない危ない。

「皆様、眼下に見えますはかの有名な三途の河でございます。川幅600キロ、全長80万キロで…」

子供は死神太郎の一所懸命なガイドを無視し、脈絡もない質問を浴びせてきた。

『死神太郎って歳いくつなの?』

え!?いきなりですか??

「…え〜来月で4137歳になります」
『なんで死神になったの?』

え?

『だって他にもいろいろお仕事あるでしょ?なんで死神のお仕事選んだの?』

…私も知りたいよ。



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