君と見た空*2の2

玲唯  2010-06-20投稿
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「ちょっとユウカ、びっくりさせないでよ!」


 振り向かなくても、声だけでユウカだということが分かった。


 ユウカは笑いながら、ごめんごめんと謝る。


「あ、もしかして昨日の人?」


 ユウカはアオトの方を見て言った。


 私が頷くと、ユウカはアオトの隣に座る。


「初めまして。リクの友達のユウカです!」

「俺はアオト。よろしく」


 いつもより、ユウカの声が高い気がする。


 アオトは柔らかい笑みを浮かべながら、自己紹介をした。


「アオトって珍しい名前だね! あ、何歳? 高校生? 家、この近くなの?」


 ユウカの質問はまだまだ出てくる。


 その質問攻めに、アオトは完璧に困惑している。


 私、いない方がいいかな。


 でも、アオト困ってるし……。


 ああ、もう!


「ほら、ユウカ。帰ろ」

「えー! もっと話したい!」


 ユウカは子どものように駄々をこねる。


 でも私は、そんなのお構いなしでユウカの腕を掴んで無理やり立たせた。


「じゃあね」

「ちょっと、りくってば! あ、またね、アオトくん!」


 ユウカが手を振ると、アオトは小さく手を振り返していた。


 アオトの姿が見えないくらいまで歩いたところで、私はユウカの腕を放した。


「アオトくん、かっこいいなあ。彼女いるのかな」

「さあ、聞いたことないや」


 完璧に狙ってる。


 別に私には関係ないけど。


 私には結城くんがいるんだから。


 アオトはただの友達。


「リク、今度聞いといてよー」

「何で私が?! 自分で聞きなよ」

「だって、それ聞いたら気があることバレるじゃん」


 大丈夫だよ。
 それはもう、バレてるから。


 あんな質問攻めを食らって、気づかない人はいないと思う。


「お願い!」


 そう言って、ユウカは顔の前で手を合わす。


 別にいいか。聞くくらい。


 聞いてあげる代わりに、後で何か奢ってもらおう。


 そう思って、私は承諾の返事をした。




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