「六年前?」
「そう。僕が今朝、優は何が何でも警察にならないといけないって言った理由はそこにあるんだよ。実は僕の家族は昔交通事故で両親をなくして兄と二人で優の家族安井家に昔のよしみで引き取られたんだ。僕ら兄弟と優と優の妹千佳ちゃんは本当の兄弟のように育てられてきたんだ。僕の両親が亡くなったのが十二年前だからほとんど優の両親が本当の両親と思って僕は生活してきたんだ。だけど、六年前僕と優が丁度合宿に行っている時に家に当時未成年の男子が安井家に侵入して包丁でそこにいた四人を殺害したんだ。その殺し方はあまりにも人がやったとは思えない所業で優と僕が帰ってきた時リビングは殺された四人がバラバラに切断され血で塗られた部屋で切られた手足首で飾られていたんだ」
そこまで語った京都の目からは自然と涙が出てきた
「ひどい………」
雪野は両手で口を押さえて話を聞いていた。
「青山さんが知らなくても無理はないさ。なぜかこの事件は大きく報道されなかった。それに、殺された人物は安井一家全員となって死亡リストには優の名前があった」
「えっ?なんで?」
「さぁそれはわからない。ただ実際に殺されたのは俺の兄さんってことだけさ。あれの事件と今回の事件の異常さは今思い返せば確かに何か類似するものがあるのは確かだよ」
そこまで語ると京都はパソコンのところまで行って印刷ボタンを押してパソコンの情報をすべて引き出してシャットダウンさせた。そして資料を持った京都はまた雪野の元まで向かった。
「さて、知りたい情報も知ったことだし早いとこここからずらかろうか」
京都は涙を拭いて無理やり笑顔を作って雪野に向かって言うと、雪野は京都の腕を引っ張って自分の肩に寄せた
突然の雪野の行動に戸惑う京都に
「今日はここで寒さをしのごう………それに辛い時はそばにだれかいた方がいいでしょ?」
そう言って雪野は京都の肩で寝てしまった。余程疲れたんだろう。京都は雪野の寝顔を見て「ありがとう」と言って眠りについた。