白髪頭の博士が、突然叫び声を上げた。
「うぉ〜、遂に完成じゃ〜。」
助手は、又、無駄な失敗作品を作り上げたのだろうと思ったが、一応相ずちを討ったのだった。
「先生、何の発明が完成したのですか。」
博士は、誇らしげに言った。
「未来にだけ行けるタイムマシンだよ。」
「先生、其はオカシイですよ、未来に行ったは良いですが、帰って来れないじゃ無いですか。」
「大丈夫じゃよ、未来に行けば、文明は更に進んでいる、過去に戻れるタイムマシンを開発された時代まで行けば戻れるのじゃ。」
助手は、久々に納得しながら微笑んだ。
「では、早速輝ける未来へと、試験運転して来ます。」
博士は、笑顔で見送った。
タイムマシンは、此れからの、輝かしい文明の先取りを期待してか、静かに姿を消して行った。
博士は、ふと気に成る事を考えた。
「待てよ、もし未来にタイムマシンが出来ていれば、今の時代にも来ていて不思議じゃ無いよなぁ。」
博士の不安通り、助手は、二度と帰って来る事は無かった。