あるところに大悪人がいた。
大悪人というくらいだから、当然多くの罪を犯した。
悪事に抵抗などなかった。
生きている間、ずっとずっと悪事を働き続けた。
ところが、その悪人は突然死んだ。
それが天罰かは、わからないが寿命や病気なんかで死んだわけではなかった。
死後の世界
「悪人よ。生前の世界はどうであったか。」
「閻魔様、私は沢山の罪を犯しました。地獄に堕ちるのでしょうか。」
「お前は、もう地獄に堕ちた。
「どういうことでしょうか。」
「生前の世界で生きることが地獄なのだ。つまり、生きた者は罰をうけたのだよ。」
「それでは、長生きした者は罰が長いということでしょうか。」
「そういうことだ。もしかしたら、お前の殺人もよかったことなのかもな。」
−終わり−