夕日が小屋の屋根赤く染め、裏にある林に赤と黒の陰影を作り出していた。
「はあ、はあ」
「ふうー…」
「ふへぇ…」
ダリル、ザック、エナンの三人は倒れ込んで荒い息を吐いていた。
「今日はここまでにしましょうか」
メディナは小さく笑って、剣を鞘に収めた。
「全く…何てスタミナだよ…」
ダリルは大きく息を吐きながら、メディナをチラリと見た。
「あら、私も疲れたわよ。ほら、少し汗が出てるし」
「…はあ…」
メディナの答えに、彼はもう一度大きく息を吐いた。
「あなた達には畑仕事があるから一日中修行ができないからね。だからどうしても短時間で密度の濃い練習をしなきゃいけないのよ」
「…そうなんですよね。まあ、その方針には賛成ですけど」
エナンはゆっくりと起き上がって、髪を掻き上げた。
「あうー…」
彼の隣でザックが呻く。
「ザックには厳しいですね」
「彼は正式な訓練を受けていないからね。遅れている分を取り戻す為に特別訓練を課しているわ」
メディナは少し気の毒そうな目でザックを見ながら、言った。
「それなら俺もそうだぜ。正式な訓練なんて受けてないぞ」
ダリルは自分を指差した。