その昔そこに二本の刀があり、それはこの世を創造したという。しかしそれとは別に闇と光から創造されたと言う者もいた。一般的には後者が正しいと言う者が多い。しかし俺は前者の方が正しいと信じている。いや厳密にはその二本の刀からそれぞれ光と闇が生まれたと思う。
夢を見た。自分と誰かが戦っていた。誰かまでは思い出せないが、俺もそいつも重傷の傷を負っていた。起きるとそこには親友のシュウとレンが眠っていた。そうだ、思い出した。俺は確か昨日の夜に花火大会があるからといってレンとシュウに呼び出されていた。そして自転車に乗っていたら後ろから走って来た車に衝突されて死にそうな中、病院に運び込まれたのだった。多分こいつらは俺を心配してつき添ってくれたのだろう。後でなんかおごってやるか。そう考えているとシュウがいきなり起きだして、
「おう!生きてるか?昨日は悪かったな。」 と言ってきた。俺は何の事だろうかと思っていたが今、完璧に思い出した。昨日呼びに来たのはレンだけだった。シュウは少し遅れる予定だった。そして俺とレンが歩いている途中でバイクにはねられたのだった。そしててその運転手がシュウだったと言う訳だ。そもそも車にぶつかっても大丈夫だなんて相当ぶつかったのが手前だったかそれとも丈夫だったかのどっちかだ。そして残念ながら俺はそのどちらにも当て嵌まらない。しかし不幸の幸いだったのがそのバイクはそれほどスピードを出していなかったことだ。前言撤回、逆に俺になんかおごれコノヤロー!
その日の内に俺はどこも異常はないと言われて帰された。その帰り際、シュウは
「いやマジでゴメン!許してくれよリュウ」
と再度謝った。
今更ながら俺のフルネームは坂口龍、レンは平岩蓮、シュウは神楽秀という。
「いや本当そろそろ許して!これあげるからさ」
シュウはそう言うとポケットから綺麗な石を取り出した。しかし俺もそれ程根に持つタイプではないから
「いやいらねーよ!てかそれより俺、そんな顔してたか?」
とはぐらかしたすると二人共そうだと迷う事なく同意した。正直そこま顔に出ると恥ずかしい。
「それより貰えるんなら一応貰っておきなよ」と言った。そこまで言われるとやむなく、石を貰う事にした。