純弥が不思議な発言をした。っと思ったらまた黙り込んでしまった。
「ねぇ・・・?」
話しかけても反応はない。
さっきの不思議な発言の後、純弥の瞳は悲しそうにうすく光っていた。
(名前で呼んだら、こっち向くかな??)
「・・・じゅ「お待たせしました。紅茶とアイスコーヒーです。」
店員の声で麗久の声はかき消された。
「・・・クククッ」
純弥は聞いていたのだろう。のどで麗久を笑った。
「ご兄姉ですか?」
その言葉に純弥と麗久は同時に店員を睨みつけ、そしてまた同時に
「「 違います! 」」
と、怒鳴った。
学校でも同じことがあった。
「し、失礼しました。」
店員はあせあせと帰っていった。
「・・・・お代は、僕がはらっておくよ。」
純弥は何事もなかったように麗久にそう言った。(前に一度、純弥の財布を見せてもらったことがあった。沢山の諭吉さんがこっちを見ていた)
「・・・・・・・・・ねぇ、さっきの・・・って、何かあったの?」
「・・・勘の鋭い女は、好きじゃない。」
ムスっと口をへの字に曲げてそう言った。そして、目をそらしてマグカップを口に運んだ。
「あたしだって、あんたみたいなのに?好きになってほしくない?」
純弥の手が止まった。顔を見た瞬間体が凍りつくほどの冷たい覇気を感じた。
「・・・・そんな風に・・・思ってたの・・・?」
「え?どーゆうこと・・・?」
純弥は鼻で笑い、こういった。
「飲み終わったら・・・教えてあげる。」
口は笑っていても目が笑っていなかった。
二人はたのんだものを飲み終わると、人目につかない廃墟に向かった。