終わりは始まり2

ミーーン  2010-06-25投稿
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「父上。如何様でございますか?」

のせていた、顎をあげ王子の姿をみつける。

「ああ、すまぬな。まぁそこの椅子に座りなさい」

低い声が目の前にある椅子を薦める。

王子が静かに座ると、それを見届けてから王は口を開いた。

「王子、そちはいくつだったかな?」

「は、来月で17になります」

手を拳に握り膝にのせる。じっとりと汗ばむのがわかる。


何を言われるのか。

王子の脳裏には何も浮かばない。

「王子、お前に嫁をとることにした。来月誕生日を迎えたら式だ。準備しとくように」

王は一息にいい、息子をみる。

目を見開き、王を見つめる王子は言葉がでない。

陸にあがる魚のように口がパクパクと動き、やっと喉の底より声をしぼりだした。

「ち・・父上・・・何を」
それが精一杯であった。


片手をあげ手を振る王の姿がみえた。

王の言葉は絶対。


王子はきたとき同様に静かに部屋をでる。



一国の王子なれば政略結婚ぐらい当たり前の事だとおもう。

だが、なぜそんな急ぐ必要があるのか。


釈然とはしなかったが、諦めは王族につきものであった。


遠く女性の一段がみえた。


母親と、その女官達だ。


目ざとく王妃の目が王子にとまる。


シュッ、シュッ・・

長いドレスの裾をひきづり王子に近付く。


良い香が手にもつ扇子を扇ぐたびに鼻孔をくすぐる。

「王子ではないか?いかがした?顔が冴えないぞ」

愛しい王子の顔を美しい指が撫でる。


王子は今王から言われた事を母に告げた。

母も初めてきいたらしく、目を丸くする。

「あれ、陛下は何をお考えか・・・あの人はたまに私に黙り一人で決める」

庭におかれたベンチに二人腰掛けていた。

「気に病むな、王子。私が王に申し立ててあげようぞ」

綺麗に微笑むと王妃は席を立ち遠ざかっていく。


王子は一人でため息をついていた

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