昨夜の雨でその体を潤した草木が
太陽の優しい光によって目を覚ます
緑の吐息が辺りに立ち込め
朝を告げる小鳥達の歌声が
そよ風に乗って運ばれてくる
私は耳を澄ませながら歩を進めた
一踏みごとに土が歓喜の声をあげ
一息ごとに風は私を駆け巡る
自然が私の隅々まで行き渡り
私の全てを洗い流す
呼吸の度に私は生き返り
呼吸と共に私の命が溢れ出す
私は自然と一体になり
私は自然と語りだす
こんな朝があることを
私は全く知らなかった
だが、分かっている
これほどの朝をもってしても
あの古びた部屋のシーツにくるまり
私の隣で無邪気に限る
あなたの寝顔を眺めた朝には
決してかなうことはないことを。