郷愁の朝を

のすけ  2010-06-25投稿
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昨夜の雨でその体を潤した草木が

太陽の優しい光によって目を覚ます

緑の吐息が辺りに立ち込め

朝を告げる小鳥達の歌声が

そよ風に乗って運ばれてくる


私は耳を澄ませながら歩を進めた

一踏みごとに土が歓喜の声をあげ

一息ごとに風は私を駆け巡る

自然が私の隅々まで行き渡り

私の全てを洗い流す

呼吸の度に私は生き返り

呼吸と共に私の命が溢れ出す

私は自然と一体になり

私は自然と語りだす



こんな朝があることを

私は全く知らなかった


だが、分かっている


これほどの朝をもってしても

あの古びた部屋のシーツにくるまり

私の隣で無邪気に限る

あなたの寝顔を眺めた朝には

決してかなうことはないことを。



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