「何で思い出せないの!?」
雪野はお茶の最後を飲み干して落ち着くがどうしても思い出せない自分に腹を立てた。
「案外そこにこの事件を解くカギがあるかもね」
京都は笑いながら雪野を励まして次に調べることを考えようと言い始めた。
今まで調べて分かった事をまとめると青山雪野は未成年にも関わらず全国指名手配になったこと、事件現場付近廃墟ビルの四階から薬莢が見つかったこと。被害者は全員警察官で六年前の反発グループということ。その六年前の事件に京都が関わっていたということ。犯行には拳銃が使われていたこと。
これらのピースだけではこの事件は到底解決できやしない。改めてまとめると、あれだけ体を張ってこれだけとは……正直気が滅入る。
まぁ雪野が犯人と決め付けていた生徒手帳の件は薬莢のおかげで疑いは晴れたが警察に申し出ても『自分で置いた』と、決めつけられている可能性がなくもないので今は保留がいいだろう。
「さて、どうする?宇川君?」
雪野は少し上機嫌に京都に聞いてきた。余程生徒手帳の件が嬉しいのだろう。
「う〜ん。これからはどうやったら佐藤さんの無実が晴らせるのかを考えて行動しようか?」
京都も気がめいっているので気分を変えてきた。少しでも気を紛らわせたいのだろう。ピースは少ないが、昨日一日にしては多く集められたのでこれらを無実の材料にしていくことがこれからの糧になるだろう。
「無実を晴らすねぇ……う〜ん具体的にどうすればいいのかな?」
雪野は全く考えが浮かばないのか、お手上げポーズをする。京都もいい考えが浮かばずに資料を眺めていると、ある文章で目がとまった。
「佐藤さん!次はこれを調べよう」
そう言って京都が指をさしたところに雪野は目を疑った。
「えっ?これって調べられるの?」
なんと、京都が指さしたのは使われた拳銃についてだ。
「一般的に日本国内に出回っている拳銃は数少ない……それなのに銃痕は二種類…つまり拳銃が二種類使われているということだ。これは、何か事件に深くかかわっているはず」
京都が自信を持って推すと
「分かったわ。それでどこに向かう?」
「そうだね………じゃあインターネットの使える図書館に向かおうか」
そう言って二人は図書館に向かった。