――と思ったのは気のせいじゃなくて、実際俺はそのまま後ろに倒れていた。
なんだそれ。可愛すぎるだろう・・・やられた。まいった。
たまらなく胸が熱くなる。多分ゆでダコみたいに真っ赤になってる顔を両手でおおった。ユウカがのぞきこむ気配がする。
「コウちゃん、返事は?」
「・・・らじゃあ・・。」
指の隙間から見えた笑顔は冗談じゃなく天使みたいだ。
ふいに手を伸ばし頬をなでる。そのまま引き寄せると、今度はなんの抵抗もしなかった。
長くつつみこむようなキスのあと―\r
見つめあい微笑みながら、同時に囁く。
世界で一番愛しい人へ。
世界で一番ふさわしい言葉を。
『愛してる。』
想っているだけじゃ伝わらないこともある。
だから、言葉がある。
それだけじゃたりない時もある。
だから、触れ合う。
強く抱きしめ合う俺たちを、窓からさしこむ月明かりが優しく包んだ。