アタシ、米倉・環菜(よねくら・かんな)は、最近、親や友達に、言葉遣いが悪い。って言われる。
だって。仕方ないじゃん。中三だし。受験生だし。って思う。
それに、誰かの悪口を言ってると、スッキリするし。
だから、いいんだよ。悪くたって―――…
「数学の山口…マジうぜぇ!!」
「もー…またソレー?」
アタシがいつものように数学の担当の先生、山口の悪口を言ってると、友達の有紗(ありさ)が呆れた顔をする。
「だってよぉ!アタシだけに問題当ててくるんだぜ!?マジムカつく!!訳わっかんねぇ!!」
「もう、言い過ぎだよ!環菜!」
「いいじゃん!…あーあー、いっそ事故って死ねばいいのに。」
「環菜!!」
「うるせぇな!!何言おうがアタシの勝手だろ!?」
そんな感じでイライラしながら家に帰った。
――翌日――――
アタシはいつも通り学校に行った。教室に入ると、なんかクラスの皆がいつもより騒がしかった。
「なんかあったの?」
アタシは有紗に聞いた。
「環菜…今日のニュース見てないの?」
「? うん」
ニュースなんか面白くないし。
「……数学の山口先生、昨日…交通事故で亡くなったって…」
「え……!?」
アタシは昨日の自分の言葉を思い出した。
『事故って死ねばいいのに。』
アタシが…あんな事言ったから―――!?
「環菜…あんた昨日、山口の事、死ねばいいのにって言ってたでしょ…?」
「は!?だから何!?アタシのせいだって言いたいのかよ!?アタシはただ…悪口言ってただけじゃねぇかよ!!」
そうだよ!悪口言ってただけだ!!第一、亡くなった原因は交通事故で、アタシが殺した訳じゃないんだし!!
アタシはそう自分に言い聞かせた。まるで、本当に自分が殺したみたいに――…