番外編 スカバンburn!! 俺の好きなこと(2/6)

きゃしー  2010-07-02投稿
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“玉置 翼”

校内であいつを知らん奴なんかおらんやろ。


あいつとは関わりたくないな。

やかましそうやし。


「うわ、なんで美弥が前の席やねん」

「うち“高橋”やもん」


前の席の女子に声をかけながら、あいつは俺の隣に座った。

ますます最悪。


「あ…えと、皆さん、よ、よろしくお願いします」


いつの間に入ってきたのか黒板の前に、消えそうな声で挨拶する先生がいた。

去年やってきたばかりで、まだ慣れないのかびくびくしている。


「あ…早速なんだけど…学級委員長を決めなきゃならなくて…誰か…」

こそこそと教室のいたるところで話声がする。誰も話を聞いてない。

だんだん先生がみじめになってきた。

「先生、俺やりますよ」

手をあげると、先生が安心して笑った。

「本当?じゃあ藤森君に…」

「えー先生!俺もやりたい!」

突然玉置が立ち上がる

「え…」

戸惑う先生。

「俺、やりたい!」

「で、でも…」

「じゃあ俺いいです」

やりたかったわけじゃないし。

その時やった。

「何やねん、大してやりたくないなら最初から言うなよな。やりたい奴の気持ち考えろよ」



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