隣であいつが呟いた言葉。
はあー?
俺は興味本位でやりたがるお前と違って、ただ単に先生が困ってたから、助けようとしただけやんか。
何言い出すねん、こいつ。
やっぱ無理!!
***
「えーあの玉置君と同じクラスなん?」
帰り道、偶然あった秋奈に愚痴った。
「ほんま無理」
「聖二と玉置君って、あわなさそうやもんな。」
二人で話しながら“いつもの公園”までたどり着いた。
「今日もボーン、練習すんの?」
「うん」
「好きやなぁ、吹奏楽、また入れば良かったのに。発表する場もないのに、よく続くなあ」
秋奈と別れ、いつものようにケースからトロンボーンを取り出す。
毎日でもないけど、よく俺はここでこいつの練習をする。
ふと俺は何のために練習してるんやろという疑問が浮かぶ。
こんなことして一体何に…
「あー!」
「びくっ!」
背後から突然叫び声。
「お前、同じクラスにおったよな?」
「そうやけど…」
最悪や。
アホ男、玉置の目が俺のボーンにとまる。
「いつもそれ、練習してんの?」
「まあ…」
「そうや!お前バンドやらん?」
そうして俺は翼とバンドを立ち上げることになった