ところで、俺には気になることがあった。あの、翼がやりたがった学級委員長。あんな面倒なもん、すぐ文句言い出すやろと思ってた。
でも結局、あいつは一言も愚痴らずやりきった
「自分でやるって言うてんもん。もし、俺以外にもやりかった奴がおって俺が愚痴ってんの聞いたら、そいつ、どんな気持ちになる?だから俺は投げ出さへん」
やっぱり俺は羨ましかったのかもしれん
いつでも好きなもんは好きって言って、やりたいことは必ずやるあいつらが
「俺は何がしたいんやろ…」
人のこと気にしてばっかや
俺の意思はどこなんや
「聖二の好きなことって、人の役に立つことやろ?いっつも人のために行動しようとしてて…そういう時の聖二はいつも嬉しそうや。誰かのために何かやる、それが聖二の意思やろ?」
俺が何かすると、返ってくる“ありがとう”
言葉がなくても、助けた時にほっとした顔や嬉しそうな顔をされるたび、いつも嬉しかった。
だから俺はいつも誰かのことを考えてる
そうか、それでいいんか。
俺自身が望んでやってることなんや
そんな自分の何が悪いんや
こうして俺は、ある夢を見つけることになる。
でもそれはまだ先の話