田中 四 郎様
元気?こ の間はありがとう。
最近、ろ くに話もできないから不安だろうと思って、この手紙を書きました。
風邪移さ ちゃって、それが悪化して、今、中央病院に入院してるんだ↓
病院でレ ントゲン撮ったら肺炎で危なかったらしいの。
病院のル ールで携帯は禁止だし、安静にしなくちゃいけないから
じっとた だ、ベッドでテレビとか見てるよ。
ホントす ぐにでも、退院して会いたいけど、ずっと先になりそう。
退屈だけ ど、今はほとんど動けない状態だし、しょうがないよね。
ただ、テ レビも面白くないし、暇で死んじゃうかも。わかってくれるよね?
家に帰ると、この手紙が郵便受けに挟まっていた。
あて名は彼女からだ。
彼女とは、ここ最近というか、ここ何週間か会ってない。 会おうにも会えないのだから仕方がなかった。
電話は止められており、家に行っても誰もいない。
仕事もずっと休んでいると、聞いた。
もしかしたら何か事件に巻き込まれたのかと、不安に思っていたが、
この手紙が送られてきたことで、少しだけ安堵することができた。
それにしても、変な手紙だ。
よく見れば、字は擦れ、紙は皺が目立つ。
紙の端は、泥か何かで汚れ、俺の名前も間違ってる。
俺の名前は、二郎なのにさ。