俺が子供の頃は…。
『あら、いらっしゃい。今日は何買うの?』
優しかった八百屋のおばちゃん。
そしてよく友達と行ったな…。古びた駄菓子屋。
まるで、宝の山みたいに、お菓子がきらきら輝いて見えた。少ない金を、掻き集めたっけ。
その他にも、曲がり角にあったラーメン屋。部活帰りによく食ったもんだ…。
谷塚駅前商店街。あんなに賑わっていたのに…。
今は…。
谷塚駅に到着した電車。降りた人はパラパラ。
その中で、今日から、街づくりコンサルタントとして働くことになった河内大介は、張り切っていた。
河内大介。熱血という言葉が似合う23歳。
谷塚街づくりコンサルタント事務所に採用。長年の夢だった、「地元の町を救いたい」という思いが、まさに叶おうとしている。
ここで突然ですが、街づくりコンサルタントという仕事を知っているだろうか。『ルビコンの決断』というドキュメンタリー番組で、街づくりコンサルタントの仕事ぶりが注目された。
『商店街に活気を戻させる』とか、『街で問題になっている場所に駆けつける』とか、街づくりコンサルタントの仕事内容は、これから増えていくと、勝手ながら思っています。
『街』を作るのではなく、そこに住む『人』を作り上げるのもコンサルタントの仕事。ただ街を作ってポイじゃダメ。ちゃんと見守ってあげるのも仕事なのだ。この話は、新人街づくりコンサルタントの、奮闘の日々を描いた成長物語。