貴博『で、なんであんな状況になってた訳?』
成り行きで俺達は一緒に下校している。
あの頃のように。
叶呼『関係ないでしょ?それになんで付いて来るんですか』
貴博『帰り道が一緒だから』
叶呼『なら先行ってくださいよ』
嫌われたもんだな。いや、単に機嫌が悪いだけか?
貴博『ホラ、アメやるから機嫌直しやがれ』
のどアメを差し出す。
叶呼『ば、…バカにしてるでしょ!』
何故かキレた。
貴博『あ!コラバカ!スタンガン振り回すな!』
叶呼『ほら!バカにした!』
バカって単語に過剰反応するな。
バチッ!
叶呼『あ…』
貴博『うぐっ…』
え?マジで?マジで当てやがったよ。
いかん、意識が…
貴博『…ん』
ベッドの上か。
叶呼『あ!起きた?』
貴博『どこだ、ここは』
見るからに乙女チックな雰囲気の部屋。
叶呼『…あの、その』
叶呼がバツの悪そうな顔で俺を見ている。
あぁ、そうか。
俺はスタンガン食らって倒れたのか。