シャッター通りが続くだけの、寂しい通りだ。
「…。」
2人は無言で歩き回る。
「あの…。」
「…。」
河内は話をしようとする。しかし、
「黙っててもらえる?」
「そんな…。」
「街づくりコンサルタントは、失敗は許されないのよ。街づくりに失敗したら、永久的に会社に泥を塗ることになるわ。」
「…そうですけど…。」
「けど何?」
河内は、黙ってしまった。「街づくりコンサルタントをなめないで。仕事に集中しなさい。」
すると大山は、
「私は商店街の人に計画について説明する。あなたはそこで、この商店街について、具体的な感想を書きなさい。」
「…はい。」
大山は、説明しに行ってしまった。
「なんだよあの人…。」
河内は頭を掻き毟った。
「街づくりコンサルタントをなめないで。カー?ムカつく?」
結局、河内は言いたいだけ言い、感想を書いた。
『全体的に寂しい街並みだと思う。街の核となるような商店街にしたい。』
しばらくして、大山が戻ってきた。
「かけた?」
「まあ…。」
河内は不機嫌そうに、大山に渡した。すると、大山は深いため息をついて、
「やっぱり、こういう事しか書けないのね。」
「…。」
「具体的に、どういう街づくりをしたいの?」
「…。」
黙っている河内に、頭を抱えた大山は、
「もういいわ。事務所に戻りましょう。」
大山のあとを、河内はしぶしぶついていった。
その道中、河内は抑えきれない怒りを出してしまった。
「大山さん…?」
「何?」