――拓「5位かぁ…」
秋「ギリギリ入賞やな」
会場の外――先ほどまであんなにいた人々が、今は全く見当たらない。
幅の広い階段に9人は力なく座っていた。
翼「終わっちゃった…な」
美「うん…」
秋「そっか…終わっちゃったんか……」
拓「うん…終わったんや…」
皆「……」
黙り込む9人。その9人に近づく人影。その女性が彼らに声をかけた
「聖二」
振り返った聖二の目が見開かれ、翼と猛は慌てて姿勢をただした。
聖「母さん?!」
聖二は慌てて立ち上がった。
「ずいぶん疲れてそうね」
聖「な…なんでおるん?」
「賢一がね、どうしても行けって言うから…」
聖「え…」
母親は8人の顔を順番に見た後、また聖二に視線を戻した。
「あなたがずっと懸命にやり抜いたもの?」
母の穏やかな表情にほっとしたように聖二は笑った
聖「うん。」
「そう…お疲れさま」
聖二は笑ったが、目の前が滲みうつ向いた。
そんな聖二を見て微笑むメンバー。
翼「リーダーお疲れ!!」
猛「いつもごめんな!」
拓「今日まで引っ張ってくれてありがとう!」
8人の感謝の言葉と拍手に聖二は包まれた。