｢お疲れみたいね｣
リリアは夕食の後テーブルに突っ伏したザックを気の毒そうに見つめながら、声をかけた。
｢まあね…。でも、頑張っていくつもりだよ。メディナさんの課した訓練だからね｣
ザックは小さく笑って、ゆっくり頭をと上げた。
｢あの剣は彼女からもらったものなのよね？｣
リリアはザックの傍らに立てかけてある剣を指差した。
｢うん。手入れは毎日欠かさずやっているよ｣
｢…そう…｣
｢…どうしたの？｣
ザックは返事をするリリアの顔が僅かに曇ったのを見て、首を傾げた。
｢いいえ、何でもないわ｣
リリアは小さく息を吐きながら、首を横に振った。
｢ザックの剣が変な形をしている｣
ミーナとダリルからそんな指摘があり、リリアはエナンにこれについて調べてくれないかと頼んでみたのである。
｢確かにおかしいですね｣
エナンは訓練中にザックの剣を見て一つ大きく頷くと、調査を快諾した。
彼が注目したのはダリルやミーナと同じように、剣の持ち手の下にある何かをはめるのに用いられるような飾りであった。
｢何をはめるのか？｣
エナンはそこに注目して、文献を取り寄せた。
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