光「……!」
横一列に並んで笑いかけるメンバー
翼「忘れられてると思ったやろ〜?」
猛「翼が驚かそうって言うからー」
波「実は光希のために、歌を作ってきてん!」
美「そう…やねんけど」
聖「残念なことに楽器がなくて汗」
秋「なので皆で歌いたいと思います」
拓「聞いて下さい!」
慶太郎が持っていた椅子を置きスティックを取り出した。
そして、ハイハットのかわりに椅子の金属部分を叩いき、全員がそれぞれのパートを歌い始めた。
カン、カン、カン、カン
〜♪
周りから見ればおかしな団体だろう。まるでエアバンドだ。しかしそれぞれの歌声が光希にはいつもの楽器の音に聞こえた――
これは別れの歌じゃなくて
また会おう の約束の歌
頑張れ って応援の歌
もっと上手い言葉で
見送れたらいいんだけれど
そんな言葉、見つからないから
せめてこの歌で伝われば
ずっとつながってるから
ぼくらがいうのはただひとこと
またね またね
始まったものは
終わってしまう
そして
あの日ことも、
昨日のことも、
いつかきっと
忘れてしまう
仕方ない
でもきっと
忘れられないことの方が多いよ