恐竜マニアから手紙を手渡された リカちゃん。
一週間前に告白した返事に違いない。
リカちゃんは 手紙を表情一つ変えないで黙読した。
『どうだった?』
見守ってきた私も感情が高ぶっていた。
『はい。』
りかちゃんが 彼の手紙を渡してきた。
『読んでいいの?』
『平気。』
返事はこう書いてあった。
(この度は拙者のような者に気持ちを寄せて頂き真に嬉しく思っている。今の自分にはイラストで食べていくという目標があり、恋と言うのは不必要である。今回、そなたの気持ちには答えられないがクラスのよしみとして友達でいてもらえるとありがたい。つまらない物ではあるが、受け取ってもらえたら嬉しい。)
『なんで(武士)なの?ファッションはドクロなのに。でも、面白いね(笑い)』
手紙と一緒に恐竜のイラストが一枚入っていた。
『断る時、りかちゃんを気遣って言葉選んだり絵を描いてくれたりしたんだね。だから一週間かかったんだね。いいやつね。彼。』
『うん。好きになってよかった。』
『うーん、やっぱり彼、恐竜描かせたら1番だね!』
『大事にする。彼が売れたら、プレミアかも。』
『本当だ。ハァ。よかったぁ。いいやつで。話したことないけど見かけがドクロでホラー映画みたいやん。告白されて友達に言いふらす奴なら最悪だなぁとか心配したよ。』
『ひどっ!偏見。そんな人じゃないもん。』
『うん。見直した。すごーく優しいんだね。りかちゃん見る目あるよ。』
『でしょ!よーし。帰ろ!なんだかスッキリしたよ。一週間長かったぁ。』
『(笑)帰えりますか。』
りかちゃんの初告白はこうして幕を閉じた。
まさか、この数ヶ月後 私とリカちゃんに辛い恋愛が待っているなんて。本当に考えられなかった。