『ハァ?』いつもだけど 徹夜。朝からコンビニバイトなのに。課題が溜まるばかりで。描くスピードが足りないな。
(プルルル)(プルルル)机に置いていた携帯がなった。知らない番号だ。深夜1時過ぎ。(かおりねぇさん?)気になって応答してみた。
『もしもし。』
『あの、村山さんですか?』
『はい。』
『こちら居酒屋○○の店員なんですが、三十代女性が飲みつぶれて動けないんです。名前聞いたら、こちらの電話にかけろと言われまして。同じアパートだとかで。』
(かおりねぇさんだな。人騒がせな。)
『ええ、知人です。』
『よかったぁ。すいませんが連れて帰ってくれませんか?このお客さん帰らないと俺達も帰宅出来なくて。』
最悪。こちらも課題があるのに。飲み過ぎなのよ。
運よく近所で助かったけど 泥酔していた彼女は歩けるわけもなくて。たった5分くらいの距離を20分引きずりアパートへ運び。後は叩き起こして 自分の部屋へ入ってもらった。
(イラスト描く元気が無くなったじゃん。最悪。ほんと最悪だ。)
睡魔に襲われて眠りについた。あと一年で 学校も卒業するのに。
優しい気持ちにはなれなかった。時間がない!