その三日後、私達は山を下り始めていた。
「ねえ、大丈夫?」
私はアルファに聞いた。
「何が?」
「だって、ずっと寝てないじゃない」
私は初めて知った、ずっと寝ていないと、人の顔色がどす黒く変わる事を。
「大丈夫だよ、その位」
「何が大丈夫よ、どす黒い顔して…」
「そんな大きな声を出したら、聞かれてしまうぞ」
その時、前から足音が聞こえた。
「ほら、おいでなすった」
彼は私を置いて歩き出した。
その足は、妙にふらついていた。
彼のとは違う、悲鳴が聞こえた。
(もしかして、相当酷い目に遭わせているんじ…)
彼を止めなきゃ、と私は飛び出した。
(!?)
途端に、私は両腕を掴まれていた。
「ソフィア…どうして出てきた!?」
そう言って、油断したのか、彼もまた男二人に両
腕を掴まれていた。
「…くっ…」
もがいても、二人は彼を話さない。
「諦めることだな」
「・・・。」
「まあ、あんたらのお陰で俺達は大金が手に入るわけだ。感謝しないとなぁ!…うおっ!?」
アルファはそう言った男の足を強く蹴り、そいつが足を押さえているすきに、もう一人を背負って投げた。
そしてもう二人を蹴倒すと、私を抱えて逃げた。
その時私は、四人の他にもたくさんの人が倒れているのを見た。